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学長 ご挨拶
2017.06.22

M-net市民大学 学長
鈴木勝博

 

数あるホームページの中から、わざわざ本ページを訪れてご覧になっている皆さん、ありがとうございます。M-net市民大学を主宰する鈴木と申します。よろしくお願い申し上げます。

 

さて、M-net市民大学は、2005年の春に誕生した通信制と対面制を併せ持った「BlendedLearning」の学校(大学・高校等)であります。本学校は、高校部門の「M-netアビニオンスクール高等部」(静岡県教育委員会指定技能教育施設)と「真の生涯教育」を視点とした、「M-netアビニオンスクール大学部」(学校法人星槎大学と提携)、静岡県内7校1400名の生徒を有する「M-netパソコンスクール」、法人研修を行っている「マルチメディア教育研究所」からなっています。

 

M-net市民大学は、これから訪れるだろう大きな教育変革に備えて設立しました。インターネットから始まるIT革命は、社会の各階層・諸断面に変革をもたらし、現在もその動きは留まるところを知りません。教育も決して例外ではありません。

 

私たちは現在の教育の形が、有史以来、ずっと続いてきており、これからも未来永劫続いていくような錯覚にとらわれています。ところが歴史を俯瞰して冷静に眺めてみますと、現在、わが日本で行われている小中高大学のような教育形態は、第2次大戦以降の、わずか数十年の歴史しかありません。少し思考の範囲を拡げて学校という形態で教育を行うようになった時間を考えても、明治以降の120年から130年位です。西欧に目を移して考えても、200年から400年位でしょう!即ち有史以来数千年の人類の歴史の中の、わずか数百年だということです。現在の学校の中での教育の歴史はこのように本当に短いものです。

 

では、それ以前の歴史の中で、教育はなされていたのでしょうか。
私は、十二分になされていたと思っています。ただし、学校という形ではなかったのです。それ以前の歴史の中での教育は、労働の傍にありました。なぜかというと、教育はよりよく労働する、もしくはさせるためのものだったからです。そして、よりよく労働する、もしくは労働させることは、人間の生活レベルを向上させる、即ちより幸せになるためのものだったのです。従って、教育はより幸せになるためのものでありました。

 

この教育の目的は、実は現在も何ら変わっていません。「教育はより幸せになるためのもの」であります。ということは、過去の歴史における教育と、近現代の教育。どちらもその目的は同じで十二分に教育は行われていた、と思われます。現在の教育の形態を基準に考えれば、過去の教育は不十分であるといえますが、ここで私がお話ししたいのは、過去の教育もそれぞれの時代の視点では十二分に行われていた、ということと、現在のような学校という形態での教育だけが教育である、というのは誤りである、ということです。

 

実は、IT革命はわれわれにこの教育の本質をするどく問いかけてきます。
「そもそも教育は学校でだけ行われなければならないものなのだろうか?」

 

よく「ITは道具や手段である」ということを言われますが、実は「学校も教育のための道具や手段である」ということです。そして、学校が道具や手段であれば、教育の目的を学校よりよく果すことができる道具や手段があれば、それに取って代わられるということです。

 

誤解しないでもらいたいのは、私は学校がなくなる、というお話しをしているのではありません。従来の、「教育は学校で行われる」という常識が常識でなくなる時代がまさに来ている、ということです。そして、それ以上に私がお話ししたいのは、「教育の目的が今以上に鋭く問われる時代がやってくる」ということです。即ち、「われわれは何のために教育を受けているのか?」ということです。

 

教育はこの問いに明確に、具体的に、分かりやすく答えなければなりません。逆に答えることができない教育は、これからは成立しないことになるでしょう。そして、その目的を果すために最も効果のある道具・手段が選ばれることになります。ITの進歩は、教育を学校だけのものとしなくなりました。これはもっと進んでくるでしょう。

 

労働を得るための教育であれば、過去にそうであったように、ひょっとするとその教育は労働の傍らにあった方がより効率がよいのかもしれません。趣味のための教育であれば、趣味を実践できる場所で教育を受けた方がよいのかもしれません。もちろん、その場所は学校である可能性も十分にありますし、道具・手段も複数組み合わせた方がよいかもしれません。

 

学校の形態も大きく変わってくるでしょう。ひょっとすると、学校は「集団生活をうまく円滑に行えるようなコミュニケーションを学ぶ場」と変質していくかもしれません。専門技能・技術を習得する場は、それを使う場所、会社・工場等に近いか、その場所で学習した方がよいと思われます。従来の教養と言われていた「知識習得」の場は家庭の中に入っていくでしょう。また、移動しながらでも学習が可能となることから、車・電車等の移動手段が教育の場となるかもしれません。

 

大学卒業ということは余り大きな意味を持たなくなるでしょう。人々は小学卒業と同時に、労働に従事し、必要な時はいつでも中学高校大学で学ぶことができ、「集団生活のやり方」をそこで学ぶかもしれません。学習の時点も、人生の長い期間の中で自由に選ぶことが可能になります。まさしく「真の生涯学習」の到来です。人々が教育で得ようとするものは、「より幸せになるための」技術であり、知識であり、思考法であり、価値観等であります。それぞれの分野における能力レベルを証明するもの、新たな様々な分野の実効性のある資格を人々は求めることになります。

 

以上のように、「より幸せを得るための教育」を行うこと、そしてそのために学校、ITを含めた複数の教育手段をより効果的に使っていくことが、M-net市民大学を設立した趣旨であります。そして、その意味からM-net市民大学は「自らの人生を真剣に考えていくためのライフスクール」であることを目指していきます。より多くの皆さんと「幸せ」を共有していきたいと考えていますので、ぜひお仲間になってください。お待ちしております。最後に、ここまでお読みいただき、どうもありがとうございました。末尾になって恐縮ですが、皆さんのご多幸をお祈り申し上げます。

 


2005年7月5日
M-net市民大学 学長
鈴木勝博

 

 


さて、以上のご挨拶から12年が経ちました。

 

現在は、市民を対象とした教育や「M-netアビニオンスクール」の高校教育以上に、600社以上の企業様の人財開発事業を手掛けることができてきています。
ただ、企業であろうが、個人であろうが、人が育っていくための「共育」に大きな変わりはありません。

 


上述した「共育環境」は、この12年間で少しずつですが、変化してきました。
しかしながら、この国の教育は、とくに学校教育は相変わらず大きな変化もなく続いています。
弊社はそこに風穴を開けるべく、事業展開を行っています。
企業内の人財開発事業の実績により、学校教育にフィードバックすべきキャリア情報も次第に明らかになってきています。要は、「社会で求められる人材像を見える化して、学校教育に反映しよう」というとてもシンプルな働きです。

 


弊社はその働きを愚直に求め行動しているにすぎません。
人類が石器、石刀、石剣等をこの世に創り出して以来続いている「人を育てていく働き」を求め、それを実現していくことを、ぜひとも多くの方々ご支援賜り、ともに関わり合い協力し合っていければと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。

 


 
平成29年6月22日
株式会社アイ・クリエイティブ
代表取締役 鈴木勝博